こんにちは、hokkyokunです。
貯金など、ある程度まとまった資金を持っている方が投資を始める際、
と思われる方多いと思います。
- 積立投資と一括投資を実際のデータを用いてシミュレーション。
- シミュレーションはPythonというプログラミング言語を使用
ガチなデータサイエンティストも使っている手法です。 - 結果をもとにどちらが優れているか
そして現実的な戦略はどうすればいいかを解説。
結果を先に申し上げると
理論的には一括投資の方がより利益を出す確率が高いです。
ただし、理論的にはです。。。
この理論的にというのが曲者で
以下のデメリットがあります。
これらのデメリットに耐えることができるなら
一括投資が最適解となります。
値動きが激しく、特に最初の一年目で大きく損をする可能性もあるので
そこでやめない、強いメンタルを持つ必要があります。
おすすめは1~2年で分割して投資をし、
その後は少しずつでもいいので積立投資をする方法です。
- 1~2年分割だと最初の1年の損失ストレスが軽減されます。
- さらに長期積立もすれば、
資金効率にブーストをかけられます。
そもそも、まとまった資金が最初からあればいうことなしですが
多くの人はゴールに見据えている資金に対し、元手は少ないことが多いと思いますので、
元手資金は1~2年で消化し、
その後は継続的に積立を続けて資金効率をブーストするが良いと思います。
制度の優遇も受けられますしね♪
積立投資するのにおすすめの証券口座はマネックス証券です。
通常でもクレカ積立で1.1%(5万円まで)ですが、現在キャンペーン期間中で、最大5%ポイント還元です。
こちらから確認できます。
マネックス証券ルール
こちらは飛ばしていただいてもかまいません。
ざっくりいうと以下となります。
- 投資期間を1~10年間、日付をずらしながらシミュレーション
- 積立投資(毎月月初に定額投資)と
一括投資(投資初日に一括購入)を比較 - 投資期間の変更による
利益率や資産のばらつき具合などを比較する
ルール詳細
詳しいルールは以下の通りです。
時間があればご確認ください。
- 過去データを用いてつみたてシミュレーションを行う
- 積立投資は1~10年間毎月100ドルを月初に投資
一括投資は1~10年間で投資開始日に積立投資の合計投資額と同額分を投資 - 投資満了後の利益率を評価対象とする
- 配当金は再投資
- 配当金にかかる税金は国内分(20.315%)+米国分(10%)とし、
差し引いたものを再投資の資金とする - 検証するETFは
VTI、SPY(VOOの代替)、VT、AGG、VYM - 投資の開始日は一営業日ずつずらし、統計を取る
具体例
例えば、
2001年6月18日~2011年6月21日までの投資期間で
- 積立投資は毎月月初に100ドル+前回の残高で買えるだけ買う
- 一括投資は2001年6月18日に12,100ドル(積立投資の合計投資金額と同額)で買えるだけ買う
- 配当金は再投資
その結果、
つみたて投資した場合の利益率は53.2%
一括投資した場合の利益率は83.9%
その次は日付をずらし、
2001年6月19日~2011年6月22日までの投資期間で
同様に計算し…
これをETFのデータがある分だけ繰り返します。
比較項目
比較項目は
①勝敗(同一期間での積立投資VS一括投資)
同一期間の投資した場合の
積立投資と一括投資の資産額の勝敗を算出します。
上記の例で言うと
2001年6月18日~2011年6月21日までの投資期間では
積立投資は利益率53.2%に対し、
一括投資は83.9%であるので、
一括投資の勝利
これをシミュレーション回数分行い、
積立投資、一括投資の勝率をそれぞれ出します。
②平均利益率の差
①の勝敗に追加して、
両者の間でどれくらい結果に差があるのか、
投資期間を少しずつずらして得られたデータの
積立投資、一括投資の利益率の平均値を算出します。
③標準偏差(ばらつき具合)
投資期間をずらしながらシミュレーションをとっています。
当然、期間により、最高に利益が出た期間と全然利益が出なかった期間が生じます。
そういったデータのばらつき具合を
積立投資と一括投資で比較します。
④下位20%の平均利益率
投資期間をずらしながら得たシミュレーションデータで
結果の悪かった下位20%のデータの平均値を算出します。
運悪く、パフォーマンスのすぐれなかった期間に投資を始めてしまった場合、
どちらの方がより結果が出にくいのかを検証します。
【結果】基本的には一括投資が有利
さて、お待たせしました。
結果発表です。
結論としては一括投資の圧勝です。
一括投資の特徴は以下のようになります。
- 資産の増幅効果は比較にならないほど一括投資がよい
- 一括投資の方が結果のばらつきは大きいが、
ある程度期間がたつと全体の利益も底上げされる - この傾向は期間が延びるほど顕著になる
冒頭でも少し触れましたが、これは論理的には有利という話です。
機械的に投資を継続するなら一括投資の方が報われる可能性は高い
ことを意味します。
心理面を考慮すると
必ずしも一括投資が心平穏に投資できるとは限らないです。
詳細を見ていきましょう。
1年目から圧倒的に一括投資が有利
後述で各ETFのデータをお見せいたしますが、
ここでは代表してVTIのデータをお見せいたします。
下記の表は
投資期間を少しずつずらしながら投資をし、
同じ期間で積立投資と一括投資どちらの方が資産を増やすことができたか
の勝率を表しています。
投資年数 | 積立投資の勝率 ()は平均利益率 | 一括投資の勝率 ()は平均利益率 | 利益率差分 (積立-一括) | ETF |
1年 | 19.8% (6.3%) | 80.2% (12.7%) | -6.4 | VTI |
5年 | 9.9% (39.1%) | 90.1% (83.6%) | -44.5 | VTI |
10年 | 0.0% (106.5%) | 100.0% (239.6%) | -133.1 | VTI |
表を見ていただければわかる通り
1年目から積立投資が勝つケースは20%程度しかなく、
ほとんどの場合で一括投資の方が資産が増えていることがわかります。
この傾向は年数を追うごとに強くなり、
VTIの場合は8年間以上投資すると
一括投資の勝率は100%となります。
この傾向は他のETF(SPY(VOOの代替))やVT、AGG、VYM)でも同様でした
一括投資の方がばらつきは強いので注意
次はばらつき具合を見ています。
標準偏差という統計上の手法を用いていますが、
ざっくり言うと
値が大きいほどデータのばらつきが大きいという傾向があります。
下記の表は積立投資と一括投資の標準偏差と
下位20%の平均利益率を表しています。
ETF | 年数 | 積立 標準偏差 | 下位20% 積立平均利益率(%) | 一括 標準偏差 | 下位20% 一括平均利益率(%) |
VTI | 1年 | 10.06 | -9.44 | 17.31 | -11.37 |
VTI | 5年 | 22.33 | 3.82 | 48.89 | 24.05 |
VTI | 10年 | 30.89 | 60.20 | 103.90 | 141.77 |
表からわかる通り、
一括投資の方が標準偏差が大きく=ばらつきが大きいということがわかります。
一方で下位20%の平均利益率は
1年目は一括投資<積立投資
その後は一括投資>積立投資と逆転しています。
何度も言って申し訳ないですが…
これは理論的な話です。
特に一年目は一括投資の方が激しく値下がる可能性は高いです。
意気揚々と投資を始めて
一年目でマイナス何十パーセントみたいな状況では
挫折してしまう人やストレスで大変な思いをされる方も出てきます。
ここはしっかり押さえておくべき点です。
各ETF詳細
各ETFについて、結果をお見せします。
考察としては上記で述べた通り、
一括投資の方が論理的には優れている
となります。
これは今回選んだETFどれでも、
程度や期間の違いはあれ同じ傾向が言えます。
各ETFのデータです。
VTI
積立投資VS一括投資の勝率と平均利益率
投資年数 | 積立投資の勝率 ()は平均利益率 | 一括投資の勝率 ()は平均利益率 | 利益率差分 (積立投資-一括投資) | ETF |
1年 | 19.9% (6.3%) | 80.1% (12.7%) | -6.4 | VTI |
2年 | 14.3% (14.6%) | 85.7% (29.1%) | -14.5 | VTI |
3年 | 15.1% (22.3%) | 84.9% (44.9%) | -22.6 | VTI |
4年 | 13.3% (30.4%) | 86.7% (62.8%) | -32.4 | VTI |
5年 | 9.9% (39.1%) | 90.1% (83.6%) | -44.5 | VTI |
6年 | 6.7% (48.1%) | 93.3% (103.8%) | -55.7 | VTI |
7年 | 2.3% (58.0%) | 97.7% (126.4%) | -68.4 | VTI |
8年 | 0.0% (72.8%) | 100.0% (160.5%) | -87.7 | VTI |
9年 | 0.0% (89.0%) | 100.0% (199.9%) | -110.9 | VTI |
10年 | 0.0% (106.5%) | 100.0% (239.6%) | -133.1 | VTI |
積立投資VS一括投資 ばらつきと下位20%の平均利益率
ETF | 年数 | 積立 標準偏差 | 下位20% 積立平均利益率(%) | 一括 標準偏差 | 下位20% 一括平均利益率(%) |
VTI | 1年 | 10.1 | -9.4 | 17.3 | -11.4 |
VTI | 2年 | 12.9 | -4.7 | 23.7 | 3.0 |
VTI | 3年 | 15.4 | -1.4 | 28.8 | 8.2 |
VTI | 4年 | 18.3 | 1.3 | 37.2 | 14.6 |
VTI | 5年 | 22.3 | 3.8 | 48.9 | 24.0 |
VTI | 6年 | 26.1 | 7.5 | 55.5 | 40.2 |
VTI | 7年 | 29.2 | 11.9 | 62.1 | 54.2 |
VTI | 8年 | 28.1 | 28.2 | 75.5 | 74.7 |
VTI | 9年 | 29.0 | 43.5 | 93.3 | 108.4 |
VTI | 10年 | 30.9 | 60.2 | 103.9 | 141.8 |
VOO(SPYデータを拝借)
積立投資VS一括投資の勝率と平均利益率
投資年数 | 積立投資の勝率 ()は平均利益率 | 一括投資の勝率 ()は平均利益率 | 利益率差分 (積立投資-一括投資) | ETF |
1年 | 22.6% (5.0%) | 77.4% (10.4%) | -5.4 | SPY |
2年 | 20.3% (11.9%) | 79.7% (24.1%) | -12.2 | SPY |
3年 | 22.0% (19.9%) | 78.0% (39.0%) | -19.1 | SPY |
4年 | 21.2% (28.4%) | 78.8% (56.1%) | -27.7 | SPY |
5年 | 17.9% (37.0%) | 82.1% (75.5%) | -38.5 | SPY |
6年 | 14.3% (46.3%) | 85.7% (94.8%) | -48.5 | SPY |
7年 | 9.7% (55.9%) | 90.3% (115.9%) | -60 | SPY |
8年 | 6.3% (65.8%) | 93.7% (142.5%) | -76.7 | SPY |
9年 | 6.6% (79.6%) | 93.4% (175.5%) | -95.9 | SPY |
10年 | 6.2% (97.2%) | 93.8% (211.2%) | -114 | SPY |
積立投資VS一括投資 ばらつきと下位20%の平均利益率
ETF | 年数 | 積立 標準偏差 | 下位20% 積立平均利益率(%) | 一括 標準偏差 | 下位20% 一括平均利益率(%) |
SPY | 1年 | 9.5 | -10.1 | 16.7 | -13.8 |
SPY | 2年 | 13.7 | -10.4 | 25.9 | -10.4 |
SPY | 3年 | 15.8 | -5.1 | 31.7 | -4.5 |
SPY | 4年 | 17.8 | 0.4 | 39.6 | 3.6 |
SPY | 5年 | 21.7 | 3.5 | 50.9 | 15.7 |
SPY | 6年 | 25.5 | 7.3 | 58.7 | 35.0 |
SPY | 7年 | 28.8 | 11.1 | 67.2 | 46.1 |
SPY | 8年 | 33.7 | 14.0 | 87.4 | 37.5 |
SPY | 9年 | 38.0 | 20.2 | 108.9 | 42.9 |
SPY | 10年 | 38.5 | 38.3 | 121.5 | 58.5 |
VT
積立投資VS一括投資の勝率と平均利益率
投資年数 | 積立投資の勝率 ()は平均利益率 | 一括投資の勝率 ()は平均利益率 | 利益率差分 (積立投資-一括投資) | ETF |
1年 | 21.4% (7.2%) | 78.6% (13.7%) | -6.5 | VT |
2年 | 7.0% (14.1%) | 93.0% (29.2%) | -15.1 | VT |
3年 | 2.3% (20.9%) | 97.7% (43.3%) | -22.4 | VT |
4年 | 2.3% (29.2%) | 97.7% (61.2%) | -32 | VT |
5年 | 1.8% (37.9%) | 98.2% (83.4%) | -45.5 | VT |
6年 | 0.1% (46.0%) | 99.9% (104.3%) | -58.3 | VT |
7年 | 0.0% (54.3%) | 100.0% (124.0%) | -69.7 | VT |
8年 | 0.0% (65.9%) | 100.0% (155.8%) | -89.9 | VT |
9年 | 0.0% (79.0%) | 100.0% (195.8%) | -116.8 | VT |
10年 | 0.0% (90.7%) | 100.0% (231.1%) | -140.4 | VT |
積立投資VS一括投資 ばらつきと下位20%の平均利益率
ETF | 年数 | 積立 標準偏差 | 下位20% 積立平均利益率(%) | 一括 標準偏差 | 下位20% 一括平均利益率(%) |
VT | 1年 | 8.8 | -5.5 | 15.5 | -3.6 |
VT | 2年 | 10.7 | -1.1 | 19.1 | 12.2 |
VT | 3年 | 10.5 | 6.3 | 16.3 | 28.2 |
VT | 4年 | 10.2 | 14.6 | 18.6 | 46.8 |
VT | 5年 | 12.1 | 21.3 | 28.9 | 52.7 |
VT | 6年 | 13.7 | 28.2 | 30.1 | 77.4 |
VT | 7年 | 13.5 | 37.0 | 22.6 | 113.3 |
VT | 8年 | 13.8 | 46.9 | 33.9 | 118.6 |
VT | 9年 | 16.8 | 54.8 | 51.1 | 138.6 |
VT | 10年 | 19.4 | 64.2 | 46.0 | 191.7 |
VYM
積立投資VS一括投資の勝率と平均利益率
投資年数 | 積立投資の勝率 ()は平均利益率 | 一括投資の勝率 ()は平均利益率 | 利益率差分 (積立投資-一括投資) | ETF |
1年 | 16.1% (7.1%) | 83.9% (13.7%) | -6.6 | VYM |
2年 | 12.9% (15.9%) | 87.1% (31.2%) | -15.3 | VYM |
3年 | 14.3% (27.0%) | 85.7% (52.3%) | -25.3 | VYM |
4年 | 13.0% (38.4%) | 87.0% (77.8%) | -39.4 | VYM |
5年 | 11.0% (50.9%) | 89.0% (108.5%) | -57.6 | VYM |
6年 | 5.0% (65.0%) | 95.0% (143.4%) | -78.4 | VYM |
7年 | 0.0% (79.3%) | 100.0% (180.5%) | -101.2 | VYM |
8年 | 0.0% (93.7%) | 100.0% (224.5%) | -130.8 | VYM |
9年 | 0.0% (110.5%) | 100.0% (276.9%) | -166.4 | VYM |
10年 | 0.0% (130.9%) | 100.0% (334.5%) | -203.6 | VYM |
積立投資VS一括投資 ばらつきと下位20%の平均利益率
ETF | 年数 | 積立 標準偏差 | 下位20% 積立平均利益率(%) | 一括 標準偏差 | 下位20% 一括平均利益率(%) |
VYM | 1年 | 9.7 | -7.7 | 16.6 | -8.9 |
VYM | 2年 | 12.6 | -2.9 | 24.6 | 1.3 |
VYM | 3年 | 10.9 | 10.4 | 27.9 | 19.9 |
VYM | 4年 | 12.3 | 21.6 | 35.0 | 42.2 |
VYM | 5年 | 14.9 | 31.4 | 43.8 | 68.6 |
VYM | 6年 | 17.0 | 41.4 | 49.6 | 102.6 |
VYM | 7年 | 17.3 | 52.8 | 51.9 | 145.3 |
VYM | 8年 | 17.9 | 65.6 | 66.6 | 188.8 |
VYM | 9年 | 19.7 | 80.5 | 80.1 | 238.3 |
VYM | 10年 | 19.8 | 98.2 | 83.3 | 316.2 |
AGG
積立投資VS一括投資の勝率と平均利益率
投資年数 | 積立投資の勝率 ()は平均利益率 | 一括投資の勝率 ()は平均利益率 | 利益率差分 (積立投資-一括投資) | ETF |
1年 | 6.0% (3.7%) | 94.0% (7.8%) | -4.1 | AGG |
2年 | 2.2% (8.0%) | 97.8% (17.2%) | -9.2 | AGG |
3年 | 0.0% (12.7%) | 100.0% (27.8%) | -15.1 | AGG |
4年 | 0.0% (17.5%) | 100.0% (38.8%) | -21.3 | AGG |
5年 | 0.0% (22.2%) | 100.0% (50.2%) | -28 | AGG |
6年 | 0.0% (26.9%) | 100.0% (62.8%) | -35.9 | AGG |
7年 | 0.0% (31.3%) | 100.0% (75.7%) | -44.4 | AGG |
8年 | 0.0% (35.6%) | 100.0% (89.4%) | -53.8 | AGG |
9年 | 0.0% (39.5%) | 100.0% (103.4%) | -63.9 | AGG |
10年 | 0.0% (43.9%) | 100.0% (119.4%) | -75.5 | AGG |
積立投資VS一括投資 ばらつきと下位20%の平均利益率
ETF | 年数 | 積立 標準偏差 | 下位20% 積立平均利益率(%) | 一括 標準偏差 | 下位20% 一括平均利益率(%) |
AGG | 1年 | 3.2 | -1.1 | 5.5 | 0.2 |
AGG | 2年 | 5.2 | 0.6 | 9.1 | 5.5 |
AGG | 3年 | 6.9 | 3.5 | 12.4 | 13.5 |
AGG | 4年 | 8.7 | 6.6 | 16.7 | 20.1 |
AGG | 5年 | 10.4 | 9.6 | 21.8 | 25.6 |
AGG | 6年 | 12.2 | 12.4 | 26.9 | 31.9 |
AGG | 7年 | 13.3 | 15.5 | 30.6 | 41.7 |
AGG | 8年 | 13.9 | 18.9 | 33.7 | 53.1 |
AGG | 9年 | 13.3 | 22.9 | 35.2 | 66.5 |
AGG | 10年 | 12.7 | 27.3 | 36.0 | 79.4 |
まとめると以下のような傾向が見られます。
- 積立投資VS一括投資(利益率)
一年目から
一括投資 >>>>>> 積立投資
一括投資の勝率は年数を重ねるごとに大きくなる - 下位20%(=運悪く投資を始めた場合)の平均値
一年目は多くの場合で
積立投資 > 一括投資
二年目以降は多くの場合で
一括投資 > 積立投資
積立投資・一括投資のメリット・デメリット
論理的には一括投資の方が有利ですが
それぞれのメリットデメリットを整理してみます。
メリット | デメリット | |
積立投資 | ・制度の後押しがある ・ストレスが比較的小さい ・いつでも始められる | 資産効率は 圧倒的に一括投資有利 |
一括投資 | 資産効率が圧倒的に良い | ・税制優遇が得られない ・価格変動のストレス ・手持ちの資金必要 |
積立投資と一括投資はシーソーの関係にあり、
一方のメリットは他方のデメリットとなります。
なので、それぞれのメリットを確認し、
どちらのメリットを多く受けたいかによって選択肢が変わります。
メリットに絞って詳細を見ていこうと思います。
積立投資のメリット【制度の後押し・ストレス軽減・いつでも始められる】
積立投資のメリットをまとめてみます。
制度の後押し
基本的に政府は積立投資を推奨しています。
つみたてNISAを活用した資産形成は
- 年間最大360万円
保有総額1800万円まで非課税 - 非課税期間は無制限
というメリットがあります。
通常であれば、海外への投資は
国内20.315%、海外10%と
約3割税金が引かれることになります。
節税措置をとるのは資産形成で非常に重要です。
また、積立投資の人気ぶりから
証券会社はそれぞれ独自のサービスを展開しています。
その中でもマネックス証券はポイント還元率が1.1%(5万円まで)となり、現在実施されているキャンペーンを活用すれば最大5%のポイント還元(3か月)となります。
また、マネックス証券口座を持っていない場合、新規開設で+4000ポイントなり、上記の還元を合わせると15000ポイント(3か月5%還元)+4000ポイント=19000ポイント還元となります。
こちらから確認できます。
マネックス証券仮に月5万円で10年間運用すると
キャンペーン:3か月5%還元+新規口座開設4000ポイント
5万円 × 3か月 × 5% = 15,000ポイント
新規口座開設 = 4,000ポイント
通常:10年(3か月のキャンペーンを除く)
5万円 × 12か月 × 1.1% × 30年間 - (キャンペーン期間中3か月分) =196,350ポイント
合計:196,350 + 15,000 + 4,000 = 215,350 ポイント
となります。
海外旅行一回行けそうですね!
全く同じことをやっているにも関わらず、
口座とクレジットカードの組み合わせで
海外旅行一回分プレゼントされると思うとお得感が違いますね。
ポイントは投資に活用できるので、
優良ファンドに再投資すればさらに資産を伸ばすことができます。
ストレスが比較的小さい
投資を始めて1年目は特に資産がマイナス評価になることも珍しくなく、
そこで挫折してしまうこともあります。
本ページで見てきたように
一括投資の方が一年目は大きな損失を出す可能性が高く、
タイミングによっては高値掴みをして、しばらく低迷する危険性があります。
一方、積立投資をすると、
下落局面でも買い増すことになるので、
平均単価が下がり、心理的な負担は低いです。
いつでも始められる
手持ちの資金がない、もしくはあっても
それを別の用途でおいておきたい(教育資金・住宅の頭金など)場合でも
投資を始められます。
一括投資の方が効率はいいからといって
いつまでもやらないより今日からでも少しずつ始めた方が
何倍も良いです(過去データではインデックス積立投資でも10~20年で資産は数倍になっています)
一括投資のメリット【資産効率が圧倒的に良い】
一括投資のメリットはシンプルです。
資産効率が圧倒的
過去20数年のデータという前提ではありますが、
VTIの過去データから計算します。
過去データから10年間を切り取り、投資シミュレーションします。
その切り取り期間を1日ずつずらして統計処理します。
投資金額は一括投資、積立投資同額とし、
積立投資は毎月100ドル×10年
一括投資は初月に全額投資とします。
積立投資した場合
24,981ドルになることが期待できます。
利益率は106%です。
一方、一括投資して10年置いた場合
41,093ドルになることが期待できます。
利益率は240%です。
一括投資の方が1.6倍資産が増えることになります。
理論値としては一括投資が圧倒的です。
デメリットはそれぞれのメリットにないこと
デメリットはそれぞれのメリットを反対にしたものとなります。
すなわち
一括投資は
積立投資は
これらメリットデメリットを考慮して
実際にどうするべきかを次で考えたいと思います。
結局どちらを選ぶべきか
一括投資は非課税メリットを吹き飛ばすほど強力
結局のところ、選ぶとしたらどちらがいいでしょうか。
利益は圧倒的に一括投資です。
非課税メリットやクレカポイントを考慮に入れても一括投資に軍配が上がります。
少し計算をしてみましょう。
先ず積立投資の場合、
1000万円分の元手を10年間で分割して
積立投資した場合です。
VTIを10年間積立投資すると資産は約2倍になることが期待できるため、
約2000万円となります。
積立投資の場合、利益の非課税はもちろん
クレカによるポイント還元も受けられます。
クレカ積立によるポイント還元を1%と仮定します。
積立投資は1000万円 × 0.01 = 10万円ポイント還元され
総利益は2010万円です。
すなわちまとめると
積立投資の場合、
元手1000万円
⇒ 元手1000万円 + 利益1000万円 + ポイント10万円分 - 課税0円
=2010万円
一括投資の場合、
1000万円分のETFを10年間保持し続けると
約3400万円となります。
税制優遇を受けられず、フルに税金を払った場合
利益の約30%分なので、
2400万円 × 0.3 = 720万円
ポイントは全くもらえないのでまとめると以下の通りとなります。
VTIを10年間一括投資
元手1000万円
⇒ 元手1000万円 + 利益2400万円 + ポイント0円分 - 課税720万円
=2680万円
差額を計算すると
一括投資の総資産額 2680万円
積立投資の総資産額 2010万円なので、
2680万円-2010万円=670万円の差となります。
期間が20年となったり、投資金額が大きくなると
さらにこの差は大きくなります。
投資効果としてはこの差を無視することはできません。
基本的には投資資金は出し惜しみせず
理論的には一括投資が最良の選択です。
投資のストレスは甘く見ない方がいい
機械的に投資できるのであれば、全く迷う必要がありません。
一括投資一択です。
しかし、おそらく、投資をしていて何のストレスも感じずにいられる人はいません。
私個人も2020年の大暴落時に
VYMが一年以上値が戻らず、かなりやきもきしました。
米国株の未来の可能性を日々信じていたにも関わらず、
これで本当によかったのか、めちゃくちゃ迷ったのを覚えています。
運悪く、一括投資した後に暴落や長期停滞が続いても
持ち続けることができるかどうかは平常時はなかなか想像できないですので、
自分のメンタル耐性はかなり控えめに評価することをおすすめします。
積立投資を併用することで資産効率を加速させる
上記で見たように、
一括投資の資産効率はすさまじいですが、
無理ない積立投資で資産形成を加速させることができます。
例えば以下のような目標を立てたとします。
- 元手資金は1000万円
- 投資期間は10年間を予定
- 目標金額は3000万円
まずは一括投資だけだと資産がいくらになるか計算します。
一括投資だけの場合
上記でも確認しましたが、
VTIを一括投資で運用すると税抜き後で
1000万円→2680万円となることが期待できます。
このままでは3000万円に到達するのは難しいため、
どこかから元手資金を100万出して1100万円にするか、
もう1~2年投資期間を延長するかが必要です。
積立投資併用の場合
1000万円一括投資+毎月1万円を10年間投資を併用した場合
- 一括投資
1000万円 ⇒ 2680万円 - 積立投資
毎月1万円(計120万円) ⇒ 240万円 - 合計2920万円
若干届きませんでしたが、
ほぼ3000万円に達成です。
一万円の投資であれば、
少し節約すれば行けそうですよね。
このように、一括投資と積み立て投資を組み合わせることで、初期投資額を抑えたり、投資期間を短くさせることができます。
元手資金1000万円、期間10年、目標3000万円をVTIで達成するためには
- 一括投資のみ
さらに資金を100万円追加する or 期間を1~2年延長 - 一括投資 + 積立投資 併用
積立投資を月1万円投資でほぼ達成
おすすめは1~2年分割+積立投資の長期継続
本ページで確認したように、
一括投資は論理的には最良だが、ばらつきが大きく、
特に一年目は積立投資よりも成績が悪いことがあります。
おすすめ戦略は元手資金は1~2年で消化する
積立投資と一括投資のミックス戦略です。
そして、その後は積立投資に移行をおすすめします。
- まとまった資金は1~2年程度に分割して投資
一括投資のばらつきをおさえつつ、早めに完了して投資効率もアップ - 無理ない程度に積立投資
少しずつ積み立てして資産達成速度をブースト
制度ももれなく活用できるのでお得感も得られる
①はこれまで見たように
一括投資は投資1年間が最も価格が暴れ、
大きな損失を出す可能性をはらんでいます。
価格が暴れる期間+予備で1年=2年間は積立で少しずつ購入し、
その後は一括投資の資産効率の良さを享受します。
また、②は
目標に向けた目標額に元手資金だけで達するには
元手資金が大金であるか、期間を長く設定するかどちらかになりがちです。
少しでも積立投資をすすめて
資産効率にブーストをかけると
心も安定し、目標達成までの期間も短くなります。
何度も言いますが、
最良は一括投資ですが、
人間、そう簡単には割り切れません。
積立投資と一括投資の良いところをミックスして
心地よく投資を継続することが最適だと思われます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
まとめてみます。
- 一括投資と積立投資どっちがより資産が増えるか?
⇒圧倒的に一括投資 - ただし、一括投資は一年目に価格がかなり暴れる。
暴落でメンタルがやられる可能性があるので覚悟が必要。 - まとまった資金がある場合、
おすすめは1~2年に分割して投資、
その後は少額でもいいので積立投資に移行
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マネックス証券ではでは。